お知らせ
映像制作のお仕事関係で、式典、例えば組織や企業の○○周年記念式典などに携わることが年に1,2回あったりします。また、イベントやちょっとしたセレモニーは見るのも関わるのもそれなりに多かったりします。
先日、お客さんとの打合せで式典構築について色々とお話をしていて、これはこれで「なんちゃってノウハウ」なんだ…と気が付きましたので、大した内容でもありませんが、経験上で得ている「式典を成功させる大事なポイント」について書いてみたいと思います。
式典をする以上、目的は明確に決まっている!と思いがちですが、実はまだ「正確」に担当の方が理解しきれていない場合があったりします。目的とは、「なぜこの式典を行う必要があるのか?なぜ行わなければならないのか?」です。まさに理由です。
この部分は、式典テーマ、タイトルとして一言で表している場合も多いのですが、往々にして言葉の意味が広範囲なのでわかりづらいことが多い印象です。
例えば、「感謝」として記念式典を行いたいという場合、それは、「だれに」対して「なぜ」行わなければならないのか?を具体的にする必要があります。それが分かるポイントは、式典の参加者がどのような方々なのか?に現れています。まさに、式典を映画上映とするならば、観客はどんな人が来ているか?です。
来賓2割、身内8割であれば、基本的にはに身内に対しての感謝の設えとなり、来賓7割、身内3割(運営側として動いている身内を合わせると来賓を越えるが席に座っているのが3割なども該当)であれば、対外的な感謝の設えとなります。
もし、この点が式典の主旨、正確な目的とズレている場合は、運営スタッフみんなで、共有しなおす必要があります。結構コレ、大事です。
一見すると、最初の式典の目的と似ているようですが、さらに具体的で大事な部分です。
まずは、式典の目的で自分たちの足場を明確にし、その足場の上で何を伝えるのか?という部分です。例えば、「今までお世話になった自社の関係者へ感謝を伝える」が目的であれば、
「信頼し合うパートナーとしての絆を伝え、今後より関係性を深める」のか?
「これからの将来像(ビジョン)を共有しあい共に歩むパートナーとしてのラブコールを送る」のか?
それぞれに会場の設えや余興も含めた演出が大きく変わってきます。
つまり式典の前後の時間軸(ビフォーアフター)で考え、式典を通して「式典の対象者とどのような関係になりたいのか?」の部分と言えます。実は、式典を行う本当の意味だったりします。ただ、最初の目的と伝えたい部分を分けたのは、一度に考えると分からくなってくる場合があるので、分割して考え、ステップを踏み理解しやすくしています。このことが、運営スタッフ間での目的意識やゴールをしっかり共有でき、円滑な運営だけでなく、アクティブな運営、問題解決に繋がりやすくなる事が多いです。
式典の意義を共有できる状態まで具体化した後は、式典の具体的な運用です。
式典を行うと決まった時、真っ先に決めるのが組織づくり。指揮系統として式典統括リーダーの下に各グループ(企画演出班、アテンド班、総務班、余興班など)があり、各班のリーダーが集まるリーダー会議でグループ間の連携を図り運用しているかと思います。ただこの方法でも、式典の全体像を、統括リーダー、各リーダーがイメージを共有しきれていない場合があります。
ここで、全体の流れを理解し、式典のゴールまで誘導する役の方が必要になります。それは、統括リーダーの参謀役なのか、統括リーダーが兼任をする、あるいは演出全般委託先のプロデューサーさんなのかはありますが、責任重大にして、式典成功のキーマンです。
キーマンが式典全体像をイメージする際に大事な部分は、式典全体の「メリハリ」と「つなぎ」です。どんなものでもそうですが、テンション100%のまま最初から最後までというのは中々難しく、徐々に上げて最後に最高潮になるのか、途中で山場を設けて中だるみしないようにするかなどの「メリハリ」、そして見落としがちな各演出と演出の間の「つなぎ」をどのようにコントロールするかにかかっています。
実は「メリハリ」で式典の全体の印象が決まり、「つなぎ」がその印象を実際の体験(感想へつながる)へと変えていきます。言い換えれば、多少の式典演出に不備(失敗)があったとしても、この点を押さえていれば多くの方の感想が「良かった」であり、式典演出のクオリティがすごく高かくとも「メリハリ」と「つなぎ」が上手く行かなかったために、多くの方の感想が「良くなかった」という事態が発生します。
では、どのようにコントロールできるようにしていくのか?というところですが、やはりリハーサルの数(または場数の経験)になってしまいます。
ただ、運営スタッフ総動員のリハーサルは直前にならなければ中々難しいので、各班のリーダーとサブリーダーが揃った上で、ある程度机上で固まったアウトラインを元に全体のリハーサルで詰めていくというのが一番現実的です。ついつい、机上を詰めるだけ詰めたので必要ないだろうと思いたくなるのですが、経験上、直前の全体リハーサルではほぼ問題点が露出せず、本番に発覚というパターンが多くなります。これは直前であるため、「全体リハーサルを行うこと」に全員が注力してしまい、全体像や問題点にまで目が行かなくなるためです。なおリハーサル時、特に「つなぎ」には最大限注意を払いましょう。
以上が、ざっくりとした式典を成功させる上で大事なポイントです。ここまでした後は、前日に良く寝て当日に望めば、結果は自然とついてくるかと思います。と偉そうに言っていますが、私自身も、映像制作だけが担当であっても、毎回この流れに注意しながら四苦八苦しています(笑)。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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