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お知らせ

神と共にある「紙」、越前和紙。

卯立の工芸館01

今日は、お客さん(石川製紙さん)に教えてもらった越前和紙について今一度知ろうと思い、福井県越前市にある越前和紙の里の「卯立の工芸館」へ行きました。

地元福井県民だと小さい頃に和紙漉き体験やそば打ち体験することも多く、珍しいとは思っていませんでした。ところが、以前お客さんと越前和紙について話をしているとまったく知らないこと知り、今回は自分の目で見てみることにしました。

和紙が世紀を渡る紙である理由

和紙の原料となるのは、「繊維」つまり木から取り出された繊維なのですが、現在普及している洋紙との違いは、繊維の強さ(たぶん長さも)に特徴があるようです。

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(工芸館では原料となる木などを教えてくれます)

木の皮の部分から丹念に行程を経て取り出されることで、破れにくい和紙が生まれるとのこと。この和紙の強さが、紙幣などの過酷な条件で使われる紙から歴史などを後世に伝える際の世紀を渡る紙として今も使われている理由とのことでした。

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(沢山の行程で丹念に抽出されていく繊維)

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(原料を煮出し、叩いて和紙の元にしていく)

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(大分叩いたもの、もうすぐ紙漉きへいけます)

神の授けをそのまま継いで漉き続ける越前和紙

和紙の元が出来てきたので、ここからは和紙を「漉く」作業となるのですが、その前に和紙の繊維がうまく重なり合うようにするネリについて教えていただきました。とろろあおいというオクラのお友達みたいな植物の根っこを漬け込んで作るのですが、漬け込んでいるものがすごくネバネバでした(笑)。和紙の仕上がりを左右するネリは、職人さんの判断で分量を決め和紙の元と混ぜ合わせるとのこと。

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(和紙の繊維をつなげるネリの原料となる根っこ)

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(漬け込んだもの、かなり粘っています)

また、和紙を漉いているときに水を切り和紙を載せる簀子ですが、竹の目がすごく細かくて驚きました。

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(紙を漉く際に下に敷かれる簀子は驚くほどの細かさ出できている)

和紙の下準備ができ、いざ和紙を漉きます。ここからはTVなどで和紙を漉く風景を見たことがあるかと思います。漉き枠を和紙の元が入った漉き舟(大きい水槽)に入れ漉いていきます。立て方向で和紙の元を入れていき、慣らしながら横方向にもと漉いていきますが、何回するか?は職人さんが判断しているようです。

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手際良く和紙を漉き、出来上がった和紙を重ねていきます。そして和紙を漉く職人が、和紙を漉きながら「越前紙漉き唄」を口ずさみます。

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唄で「神の授けをそのまま継いで」とあるように、紙の神様が祀った岡太神社・大瀧神社があり、職人さん達が神と共に「紙」を漉き続けてきたことがわかります。

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(紙漉きの工房には神様が祀られている)

最後に、漉き上がった和紙をプレスに掛け水分を抜いて乾かします。

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(昔ながらの方法)

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(近代で少しパワーアップ?)

この時なるほど!と思ったのが、和紙を乾かした後に1枚1枚剥がさないといけないのですが、ちゃんと糸を入れて剥がし口を作っているとのこと。

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(和紙の端に漉いた後に紐を入れておき、乾かした後に和紙の剥がし口として引っ張る)

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(お菓子のビニール包装の開封の紐を引っ張るようにスーっと剥がしていきます)

今回は、職人さんが作業をしながらお話してくれる形でしたが、体験として「紙漉き体験」と「越前和紙 紙漉き本格体験」の2種類があり、本格体験の1日がかりも機会があれば体験したいところです。因みに、見学した卯立の工芸館の入場券が和紙で作られており、そのまま栞として使える心遣いが嬉しい逸品でした。栞の上の紐?となる部分がまた柄入りで可愛い!

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その後、紙の神様が祀られている大滝神社(場所はこちら)にお参りして帰ってきました。

大滝神社01
(国の重要文化財にも指定されています。何より建物が美しく、風情があり必見です!)

蛇足:お昼は卯立の工芸館の敷地内横にある小さな食堂がお奨めです。地元のお母さん達が手作りの料理を出してくれます。

卯立の工芸館22
(おろし蕎麦セット)

ぜひ越前和紙を見に福井へ来た際は、卯立の工芸館へ行ってみてくださいね。時間があれば、パピルス館で簡単な紙漉き体験もできますよ~。

■越前和紙の里
http://www.echizenwashi.jp/index.php

 

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